1994年結成のドイツのロックバンドでノイエ・ドイチェ・ヘアテ(新ドイツ的激しさ)と言われる分野のバンドでメンバーは全員、旧東ドイツ地域の出身であり、ドイツ統一時19-27歳で、東ドイツの体制下で生まれ育った。ほとんどの曲をドイツ語の歌詞で歌っていながら、ドイツ語圏以外、特にラテンアメリカやロシアでも人気が高い。コンサートは火や光を多用し、刺激的な構成になっている。

名前の由来は1988年8月28日に当時の西ドイツ西部のカイザースラウテルン近郊のラムシュタインという町にある、アメリカ軍航空基地で行われた航空ショーで70名の死者を出す大惨事が発生した。その事故の都市名からとったものだが、バンド名はRammsteinで事故の都市名はRamsteinとmが1つ多い。これはメンバーが都市名のほうがm2つだと思い込んでいたかららしい。ランダースによれば、元からラムシュタインと名乗りたかったわけではなく、以前から使っていたトラックに「ラムシュタイン航空ショー」と落書きしていたらそう呼ばれるようになってしまった。元々は「Milch(ミルク)」、「Erde(地球)」、とか「Mutter(母)」などを考えていたらしい。

 

最近のニュース

2023年5月にリトアニアのビリニュスでのコンサート後のパーティーに誘われたファンの若い女性を、ティル・リンデマンが薬物を与えた上で性交渉を行ったとの容疑がかけられている。被害女性の中には性交渉に合意していなかった人もいるという。ベルリンの検察はリンデマンと、彼のためにファンの若い女性に声をかけてパーティーに誘ったロシア人女性のアレーナ・マケエワに対する捜査を始めている。このため放送するはずだった、クリスティアン・フラーケ・ロレンツとのインタビューを放送するラジオ番組が中止になり、クリストフ・シュナイダーはインスタグラムでティル・リンデマンとは距離をおいているし、パーティーの事はよく知らなかったと書き込んでいる。ティル・リンデマンの詩集を出版したKiepenheuer&Witch社は彼との関係を終わらせることを表明した。

コンサートは予定通りに行われているようである。リンデマンの弁護人はこの容疑は全くのでたらめだと言っている。どうなるかは今後の捜査・裁判の結果次第である。

しかしドイツのアルバムチャートでは、トップ100で先週29位だった「Zeit」が10位に、「Rammstein」が52位から20位に、2001年リリースの「Mutter」が61位から25位に上昇した。またトップ100に入っていなかった2004年の「Reise, Reise」が55位、2009年の「Liebe ist für alle da」が57位、1995年のファーストアルバムの「Herzeleid」が90位にそれぞれ上昇している。またシングルの「Sonne」が69位でシングルチャートに戻ってきた。

6月26日夜、ベルリンのラムシュタインの事務所が襲撃され窓ガラスが割られた。「North East Antifa Berlin」というグループが犯行を認めたことと、7月のベルリンでのコンサート妨害の呼びかけを「Kontrapolis」というプラットフォームに書き込んでいる。6月17日のスイスのベルンでのコンサートでは実際にデモが行われたようである。

ミュンヒェン市ではラムシュタインのコンサートによるオリンピックスタジアムの使用料収入を、性暴力の被害者の女性の世話をする団体に寄付することが提案されている。

 8月29日の新聞等の報道によると、ベルリンの警察・検察のティル・リンデマンに対するすべての捜査は中止となった。理由は刑事告発が被害者からではなく、関与していない第三者からのものだったからである。リンデマンの弁護士はすでに6月に、これまでの彼の犯行についての客観的証拠が出されていないと述べていた。ドイツに日本の様な検察審査会制度があるかどうかはわからないが、とりあえずひと安心というところである。

7月のベルリンでのコンサートはチケットが完売していたので、抗議デモの人たちは中に入れず外で抗議するしかなく、コンサートは滞りなく行われたようである。

2023年の騒動でバンドの危機の恐れがあったが、2024年にもヨーロッパツアーを行うことが発表された。チケット販売は、公式ファンクラブLIFADのメンバーは2023年10月16日(月)から、一般の前売りは10月18日(水)に始まる。詳細はまだ明らかになっていない。

 



メンバー

ヴォーカル:ティル・リンデマン

リードギター:リヒャルト・クルスペ

リズムギター:パウル・ランダース

ベース:オリバー・リーデル

ドラム:クリストフ・シュナイダー

キーボ-ド:クリスティアン・フラーケ・ロレンツ

 メンバーの他バンド活動歴